1999年より調査を始めた「ネパール・ムスタン地域花卉資源調査発掘事業」を5カ年計画で支援してまいりました。 ネパールは世界でも有数の植物の宝庫であり、なかでも長い間外国人の入域が制限されていたムスタン地域は、ヒマラヤの植物相の多様性や成り立ちを研究するうえで貴重な地域といわれています。 |
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ヒマラヤ植物研究の世界的権威である東京大学名誉教授の大場秀章先生をリーダーに、上越教育大学准教授の五百川裕先生をはじめ、国内および現地研究者の方々とともに調査・研究を進めてきました。 そして本調査で8つの新種を発見し、学術的価値ある成果を上げることができました。 |
「Flora of Mustang(ムスタン植物誌)」出版
「ネパール・ムスタン地域花卉資源調査発掘事業」の成果発表会「ネパール・ムスタン地方の花と植物」を2008年に新潟県新潟市で開催し、「Flora of Mustang(ムスタン植物誌)」と題する英文学術書を出版いたしました。
本誌は、今後のヒマラヤ地方の植物を研究する上で基本となる文献で、ムスタン地域に適応した800種を超える植物について詳細に記録しています。研究の成果を世界に向けて発表できたことは、緑育成財団にとっても大きな喜びになりました。
また本調査がネパール国の発展にも寄与したとして、ネパール政府植物資源調査研究所より感謝状をいただきました。
「ヒマラヤに花を追う 秘境ムスタンの植物」出版
「私がムスタンにぜひ行ってみたかったのは、この地域の植物相がまだ詳しくは調査されていない、という未知なる土地への憧れと、ムスタンがヒマラヤの植物相の成立を解くうえで鍵になる地域だからである」〔大場秀章〕
ネパール・ムスタンでの植物調査の様子を綴った紀行文「ヒマラヤに花を追う-秘境ムスタンの植物-」を2005年に出版しました。
大場秀章(著)、五百川裕(著)、緑育成財団(監修)